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米国における「時効」について
2008年10月17日 15:50

週刊NY生活10月18日号に掲載されました。

クレームとは法律上は裁判によって権利や資格を要求する権利を意味します(「権利の請求権」または場合により「債権」と訳されることもあります)。例えば貴社の納入業者が5万ドル相当の原料を2週間以内で配達することを約束しながらこれを怠り、その結果貴社がお客様との約束を果たせなかったとすれば貴社は収益機会を逸したことになります。この場合貴社は納入業者が事業に与えた損害に対してクレームを持つことになります。さて、もしこのクレームに基づいて訴訟を開始するとすれば、最初に時効の問題をクリアする必要があります。時効期限はクレームが発生した原因が生じた時から計算されます。上記の例では、契約違反のクレームに対して納入業者が原料を配達してから6年内に訴訟を開始しなければ時効になります。

 

契約違反の時効は6年、交通事故等の人身的損害は3年(但し医療過誤の場合は2年半)、動産を相手から取り返すには3年、破損した資産を修復するには3年、文書または口頭による名誉毀損は1年です。ただ詐欺などの場合、当初はクレームの存在自体がわからない場合もあります。この場合はクレームの存在に気づいた時、もしくはクレームを発見できたであろうと合理的に判断される時からの期間が対象となります。たとえば誰かが名画の偽物を貴方に売りつけ、貴方は10年間これが偽物とは知らなかったとしましょう。詐欺の時効期限は6年となっていますが、この場合には、貴方は購入してから10年間詐欺を発見しなかった訳ですから、詐欺を発見してから2年が時効期限となります。時効期限を守ることは極めて重要で、時効のハードルを越えることは殆ど不可能と言えます。

 

誰かに対してクレームを持っているとしたら、時期を逸しないうちに行動する必要があります。貴方の有する権利を喪失しないうちに弁護士に相談することをお勧めします。

 

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投稿者:
Hiro Sugano
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