Law Office of FLORENCE ROSTAMI-GOURAN BLOG
2009年7月
2009年7月27日 15:12

最近会社を清算したり、清算をお考えになるお客様のご相談を受ける機会が増えてきています。そこで良く聞かれる清算後の債権・債務の問題について簡単にご紹介しましょう。ニューヨーク法においては、清算後でも会社は清算前に生じていた訴訟原因に基づいて訴えたり訴えられたりすることができます。つまり会社を清算したからといって会社に求められる権利回復の権利・義務は失われないということです。清算前に会社の取締役、執行役、株主が持っていたあらゆる債権と債務は消滅しないと言い換えることもできます。例えばあなたがある会社に対して契約上の債権を持っていたとすれば、その会社が清算された後でもその会社を訴えることができます。ただ清算後の取締役、執行役、株主の行為が清算会社に新たな債務を生じさせることはありません。

清算の決定を下した後で、全ての債権者と潜在的債権者を特定する必要があります。往々にして関係者は潜在的債権者について分析を怠る傾向がありますが、これは後日問題を生じる種になります。株主に配当を行う前に、既存及び潜在的債務に対して十分な引当金を積む必要があります。潜在的債権者とはコンタクトを取って問題を早急に解決することを検討すべきです。清算のプロセスについては明細を残しておき、清算会社の現金については別口座で管理しておくことが重要です。既存・潜在的債務に対する十分な引当がなされるまでは株主に対する配当は控えるべきです。判決による損害賠償金の支払いを清算会社から得られなかった債権者は、清算会社の残余資産を受け取ったり、残余資産を維持管理している元株主に支払いを求めることができます。子会社から何を受け取ったかについてしっかりした記録の無い会社は実際に受け取った額以上の金額を債権者から要求されるリスクがあります。


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投稿者:
Hiro Sugano
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フローレンス・ロスタミ弁護士

フローレンス・ロスタミ
弁護士

フローレンス・ロスタミ法律事務所創立者。米国進出の日系企業に日本語で法律相談を行う。

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