Law Office of FLORENCE ROSTAMI-GOURAN BLOG
米国での解雇(3)
2010年7月18日 00:02

解雇された場合、健康保険の支払いはどうしたらいいでしょうか。また、次の仕事を見つけるのも大変な昨今、自分の持つ権利を良く知った上で会社を辞めたいものですが、そのために考慮すべきことは?

 

Q     解雇されると、医療保険の支払いが心配です。解雇されたら、健康保険の支払いは100%、自分で負担しなければなりませんか。

A     会社に勤めている場合は、その会社が健康保険に加入していれば、会社が掛け金の50%〜100%を負担してくれますが、解雇されると給与所得がなくなるばかりか、健康保険の掛け金をを100%自分で払わなればならなくなるので、負担が大きくなり大変です。

しかし、会社が健康保険に入っている場合、会社は解雇した従業員に対して、COBRA(The Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act)の」権利を行使できるようにしなければなりません。COBRAは従業員が20人かそれ以上の会社の場合、解雇する従業員とその家族に対して、解雇された後の一定期間(連邦COBRAは最長18ヶ月間、ニューヨークやカリフォルニアなどいくつかの州ではこれに追加で18か月)、一定の条件下で、会社で入っていたグループ保険に入り続ける権利を与えなければならないというものです。解雇されると、健康保険の掛け金は100%自分で払わなければなりませんが、個人で健康保険に入るより会社のグループ保険に入り続ける方が、掛け金が安くてすむという大きなメリットがあります。

 

Q     失業した人の健康保険の支払いが、一部低くなる制度があるそうですが。

A     200891日から2010531日までの間に本人か家族が解雇されたCOBRAを受ける権利を持つ個人(COBRAには他にいくつかの条件があります)で、COBRAの適用を受けることを選択した人は健康保険の支払額が少なくて済む可能性があります。該当する人は最低9カ月の間、通常時の支払額の35%の支払いで済ますことができます。

 

Q     解雇の際に受け取る通知書とはどういうものですか。
A     ニューヨーク法においては、雇用者は解雇時に従業員に解雇通知書を出すことになっており、そこには雇用の最終日と、会社の提供する福利厚生が受けられる最終日が含まれます。雇用者は解雇から14日内に被解雇者がCOBRAに基づきどのような権利を有しているか、またCOBRAのカバレッジを選ぶためにはどのような書類手続きが必要かについて説明しなければなりません。解雇時に従業員と会社との間に退職金パッケージや他のクレームの和解などの別のアレンジメントがある場合には、それらの条件は書面化されます。このような書面には支払の対価として非解雇者が会社に対して持つ全てのクレームを放棄するという文言が入れられることが一般的です


<おことわり>

記事は一般的な内容であり、記事作成日以降の法律の改正は反映しておりません。個別の案件は弁護士にご相談ください。

投稿者:
Hiro Sugano
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