Law Office of FLORENCE ROSTAMI-GOURAN BLOG
2009年1月
2009年1月 5日 10:57

(この記事は週刊NY生活2008年12月20日号に掲載されました)


貴社がウェブ会社や個人とコンタクトを取り、デザインを決めて支払いをして自社ウェブサイトを立ち上げたからといって、貴社がデザインの所有者になった訳ではないのです。デザインに対する著作権を得なければ、貴社はこのデザインを使用するライセンスを得ているだけで、そのデザインを他のウェブサイトに使用することも、デザインをロゴとして使用することも、これを自社パンフレットに使用することもできません。デザインの所有者はデザイナーであり、全く同じデザインを他の企業のために使う権利も有しています。

 

米国ではデザインを作成した段階で、作成者は自らの作品に対する著作権を有することになります。登記は作品が造られた時期の証明になるものですが、著作権の登記をもって権利が発生する訳ではありません。

 

ウェブサイトに対する著作権を得るには(i)ウェブ作成業務を依頼する際、雇用による業務(work for hire)として依頼する、(ii)作品が完成した段階で著作権を持つ人から譲渡を受ける、の2つの方法があります。

 

譲渡においては、アーチスト/ウェブデザイン会社はデザインの著作権をある一定期間譲渡します。雇用による業務として依頼した場合にはこのような期限的制限はありません。

 

Web会社に作成の依頼をした場合には、その会社がその作品に対して持つ権利について理解する必要があります。Web会社がフリーランサーに下請けに出していた場合、下請けの仕事に対してWeb会社は著作権を有しません。Web会社とデザイナーとの関係については確認しておいた方が良いでしょう。

 

アーチスト/Web会社がデザインに対する著作権を持っているかどうかをWeb会社に確認し、その保証を取ることは大切です。米国では著作権について厳密な責任が問われますので、他人が著作権を持つデザインを知らずに許可無く使用すれば、使用者はその責任を問われます。アーチスト/Web会社から保証を取ったとしても実際の著作権所有者に対する責任を逃れることはできませんが、損害金を支払わざるを得ない場合、その責任の所在を明確にすることができます。


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投稿者:
Hiro Sugano
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フローレンス・ロスタミ弁護士

フローレンス・ロスタミ
弁護士

フローレンス・ロスタミ法律事務所創立者。米国進出の日系企業に日本語で法律相談を行う。

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